「甘いものを食べるとむし歯になるよ」とよく言われますが、実際は次の3つの要素が重なることで、はじめてむし歯となります。
①歯の質
②糖質
③細菌(ミュータント菌)
虫歯は、歯の表面についた歯垢(プラーク)に、虫歯をつくるミュータンス菌が棲みつき、糖分を栄養にして酸を出します。
この酸は歯の表面の硬いエナメル質を溶かし、その部分に穴をあけます。 これが虫歯のはじまりです。
甘味料はこのうち、「②糖質」として、細菌の養分になるかどうかで、虫歯につながるかが決まります。
ややこしいのは、いわゆる砂糖もキシリトールも化学的には糖類とよばれますが、人や菌によって栄養にできるかどうかが異なります。
キシリトールは人は栄養にできないので、栄養学的には糖類とは呼ばれません。
菌にとっても栄養にできなければ、虫歯にならないと言えますが、菌には多くの種類がいるので、わかっていることわからないことがあります。
ひとつ言えるのは、甘味料は甘みが強い分、量が少なくて済むので虫歯になりづらいと言えます。
◆キシリトール
むし歯になりにくいばかりか、予防する効果があります。虫歯予防効果が実証されている天然甘味料で、食後にキシリトール配合のガムなどを摂取するのが有効です。ただし多くの量を摂取したり、慣れるまでは下痢をおこすこともあるようです。
◆アスパルテーム
砂糖の200倍の甘さを持ちます。アミノ酸の仲間なのでむし歯にはなりません。ダイエット食品、糖尿病治療食品。「パルスイート」(味の素)、「スリムアップシュガー」(味の素)、「ダイエットペプシ」(サントリー)、「ダイエットコカ・コーラ」(日本コカ・コーラ)などに使用されています。
◆パルスイート
味の素が開発した、アスパルテームなどの甘味料を複数配合した甘味料です。
◆ステビア
甘さは砂糖の300倍!!キク科の植物ステビア(ハーブの一種)の葉から抽出し精製した甘味料です。日本で開発されたむし歯になりにくい甘味料です。ダイエット食品、糖尿病治療食品。「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)、「ポカリスエットステビア」(大塚製薬)、「明治ブルガリアヨーグルト」(明治乳業)などに使用されています。
などなど、
甘味料は、そもそも虫歯菌の養分にならないものや、甘さが砂糖と比べて圧倒的なので、使用量が大幅に少なくてすむことで、虫歯になりづらいものがおおいです。
とはいえ、人工甘味料の全身への影響はまた別のお話ですので、ほどほどが大切です。
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