「マウスウォッシュ」とひとくくりに思っていたけれど
様々な機能や特徴の「マウスウォッシュ」がたくさんあるなか、一般的に「マウスウォッシュ」と呼ばれるものは、お口の中をきれいにする液体であると認識されています。
液体のオーラルケア製品は、
- 液体ハミガキ
- 洗口液
2種類があり、目的も使い方も、それぞれが異なることをご存知でしょうか?
液体ハミガキと洗口液の違いって?
液体ハミガキと洗口液は別物です!代わりにはなりません
「液体ハミガキ」は「歯みがき」の名のとおり、はみがき粉(ペースト状)が液状になったもので、歯ブラシと併用して清掃効果を高めることが目的です。つまり、「液体ハミガキ」は口に含んだあとに歯を磨くこと(ブラッシング)することが必要です。
研磨材が含まれていないため歯にやさしく、歯を傷つけにくく、またペースト状よりも薬用成分が、すみずみまで浸透しやすいのが特徴です。
液体ハミガキを使うメリット
・研磨材が含まれていないため、歯にやさしい
・薬用成分が歯間をはじめお口全体に広がりやすい
「洗口液」は、口腔内の清浄と消毒を目的として、口の中をゆすぐために使用します。「うがいする(ゆすぐ)」ことにより、歯面の細菌の付着を抑制し口臭予防や歯茎のケア、ドライマウスの緩和が期待できます。
「液体ハミガキ」が歯磨き粉の代わりに使用することを前提とし、洗浄のためのもの、一方「洗口液」は歯や歯茎の健康を保つために着目したもので「歯磨き粉」の代わりではありません。 全く異なるものであるため双方ともに代わりにはなりません。
液体ハミガキと洗口液、使い方の違い
一般的に「液体ハミガキ」は、口に含んだあと、全体に行きわたらせたあとに、歯ブラシで磨くこと(ブラッシング)が必要です。仕上げに水でゆすぐ必要はありません。気になる場合は、ゆすいでも問題は無いのですが、医薬部外品の場合は薬用成分を流してしまうので軽くすすぐ程度が良いとされています。
「洗口液」は口をすすぐだけで、お口のなかの粘つきやミクロの汚れを洗い流し歯垢や口臭の原因を取り除いてくれます。適量をお口に含み、20〜30秒間、クチュクチュして吐き出します。こちらも水ですすぐ必要はありません。
※ どちらも製品の使い方をご確認ください。
液体ハミガキを洗口液のように間違って使っている人が実は多い!
「洗口液の使用状況と使用感」のアンケートによると、液体ハミガキを「適量に口に含みブラッシングして吐き出す」もしくは「吐き出してからブラッシングする」という液体ハミガキの本来の使用方法ではなく、口に含んで、歯ブラシを使わずにすすいで吐き出すという「洗口液」としての使用方法を誤って行っていたということがわかりました。
「液体ハミガキ」はブラッシングをすることで効果を発揮するように設計されています。 製品各々の効能や効果を十分に発揮させるためには、正しく知識や使い方を知ることが必要です。
参考文献:液体歯磨の本来の使用方法ではなく、「歯ブラシを使わずに口に含んですすいでから吐き出す」 という洗口液としての使用法を行っていた。
竹中 彰治(口腔衛生会誌 J Dent Hlth 66: 361–370, 2016) 『洗口液の使用状況および使用感に関するアンケート調査』</cite>
液体ハミガキと洗口液の見分け方
パッケージの表面ではわかりにくい!
ドラッグストアに行くと、どれを買おうが悩みませんか?
「液体ハミガキ」と「洗口液」、パッケージが似ていて、おもて面をパっとみても区分けがつかないものが多いです。見分けるには、「洗口液」「液体歯磨」という裏面の記載を確認しましょう。
※ 液体ハミガキと記載されている場合もあります
液体ハミガキの特徴
歯磨き粉の代わりとして使う液体ハミガキは、歯を強くするフッカ化合物やプラークなどの細菌を抑制する殺菌剤などの薬用成分をすみずみまで浸透させることができるのが特徴です。しかしながらペースト状の歯磨き粉のように研磨材が含まれていないため、着色(ステイン)を除去する機能は低くなります。
もう1つの特徴として、液体ハミガキには発泡剤(泡立つ成分)が含まれていません。発泡剤が含まれていると、軽くブラッシングするだけで泡が広がり、しっかり磨けたと錯覚しやすく、短時間で歯みがきを終えてしまう人が多いようです。また発泡剤は、お口の中の粘膜や歯茎を刺激することがありますが、液体ハミガキは、やさしい洗浄力で丁寧に歯みがきができます。
いずれにしても「液体ハミガキ」はブラッシングをすることで効果を発揮するように設計されています。
洗口液の特徴
歯みがきだけでは、舌や歯ぐき、喉の粘膜などのお口の汚れは落とせないと言われています。
薬用成分を含んだ「洗口液」でうがいすることによって歯みがきだけでは不足している部分を補うことができます。
「洗口液」は歯みがきのあとの仕上げ、外出先などで歯みがきができない時、また口臭が気になる時に使用するのがおすすめです。 また、つわりなどで歯みがきができない時、災害時などにも活用できます。
洗口液を使うメリット
・口臭ケアに役立ちます
・外出先やつわりで歯みがきができない時にお口を洗浄することができます
※歯みがきの代わりにはなりません。
洗口液のおすすめの成分
洗口液で、特に効果が期待できる成分をご紹介します。選ぶ時に参考してみてください。
- CPC(塩化セチルピリジウム):殺菌作用
- グルコン酸クロルヘキシジン:歯や粘膜に吸着し、長時間、細菌の増殖抑制効果を発揮
- IPMP(イソプロピルメチルフェノール):バイオフィルムに浸透、通過する殺菌剤
洗口液に様々な成分が含まれており、歯周病や口臭の原因になる細菌を殺菌します。アルコール(エタノール)も殺菌効果はありますが、長期間、使い続けると唾液が減り、お口の中が乾燥することがあるため、ノンアルコールのものがオススメです。
目的、シーン別で使い分ける
お口の悩みはそれぞれです。「液体ハミガキ」も「洗口液」も目的に合わせて選ぶことがおすすめです。
「洗口液」は、口に含んですすいだら吐き出します。ブラッシングは必要ないため、外出先や歯みがきができない時に、素早く対応できます。起床時のお口の中のネバつきを解消したい時などにもおすすめです。
「液体ハミガキ」は、歯茎の腫れ、歯周病の殺菌や予防など炎症を防ぐことができる成分が含まれているものが多く、歯茎のケアをすることもできます。 歯を磨いたあとに水で口をすすぐ必要はないため、災害時などに役たちます。
- 「洗口液」は、手軽にすばやくお口のケアをしたい時におすすめです。
- 「液体ハミガキ」は、歯茎の腫れや歯周病予防をしたい時におすすめです。
液体ハミガキと洗口液 ダブルで使う!
それぞれの特徴がある「液体ハミガキ」と「洗口液」は、製品によって含まれている成分も効果も各々です。
両方の併用することもできます。
ダブルで使う方法
- フロスや歯間ブラシで汚れをとります。水でお口の中をすすぎます。
- 「液体ハミガキ」で口をすすぎます。
- 歯ブラシで歯をみがきます。
- 「洗口液」で口をすすぎます。
「液体ハミガキ」は、歯みがきをする直前に、「洗口液」は歯みがきしたあとに使用します。
間違って買ってしまいました
パッケージが似ていることが多いので、間違って購入してしまうこともあるかもしれません。
しかし、各々、使用目的も使い方も異なるため、代わりにはなりません。 特性をよく理解し、製品の使い方を守りましょう。
正しい使い方でしっかりした効果を!
「洗口液」は、手軽に爽快感を得られますが、歯みがきの代わりになりません。あくまで、補助的なものであるということを忘れずにご使用いただくことがポイントです。
「液体ハミガキ」は、「洗口液」と使い方を混同しがちですが、ブラッシングが必要です。「歯みがき粉」と比べると成分を行きわたらせることができます。しかし薬用成分が浸透しやすいことに頼りすぎることは禁物です。
いずれにしても丁寧な歯みがきが必要です。
液体ハミガキと洗口液に関するQ&A
- マウスウォッシュとは何ですか?
-
マウスウォッシュは一般的に「洗口液」とも呼ばれています。歯みがきのあとの使用が効果的です。
- 液体ハミガキと洗口液の大きな違いは?
-
使い方に大きな違いがあります。 「液体ハミガキ」は、口に含んで吐き出したあとに、歯みがき(ブラッシング)が必要です。「洗口液」は、歯みがきをしたあとに、仕上げに使用します。
- 使用後、口を水ですすぎますか?
-
「液体ハミガキ」も「洗口液」もどちらもすすぐ必要はありません。 しかし、「液体ハミガキ」の使用後、ブラッシングが必要であるため、気になる方は口を軽くすすいでもかまいません。しかし、双方とも、水ですすがないほうが効果的です。
- 1日に何回も使用することで、より効果が高まりますか?
-
アルコールが含まれている製品は、複数回の使用で、お口の中が乾燥してしまうことがあるため注意が必要です。またお口の中の必要な常在菌まで洗浄してしまいお口の中のバランスを崩してしまうこともあり得ます。どちらの製品も使用方法に従ってください。