お口のネバネバにお悩みの方へ
朝起きた時や食事の後、ふと口の中がネバネバして不快に感じたことはありませんか?
「お口の中のネバネバ」は、多くの方が経験する症状であり、そのまま放置すると口臭や虫歯、歯周病などの口腔トラブルにつながる可能性があります。
本記事では、口の中がネバネバする主な原因からその解消法、そして予防策までをわかりやすくご紹介します。
1. 口の中がネバネバするのはなぜ?主な原因
まずは、なぜ口の中がネバネバしてしまうのか、その主な原因を見ていきましょう。
原因を知ることで、適切な対策を立てることができます。
唾液の分泌量の低下
唾液は、口腔内を潤し、食べ物の消化や細菌の繁殖を抑える重要な役割を果たしています。しかし、何らかの理由で唾液の分泌量が低下すると、口の中が乾燥し、ネバネバ感を感じやすくなります。
唾液が少なくなる原因
- ドライマウス
- 加齢による唾液腺の低下
- 抗ヒスタミン薬や降圧薬、抗うつ薬などの一部の薬の副作用
- シェーグレン症候群
などがあげられ、原因に合わせた対処方法が重要です。
ドライマウス(口腔乾燥症)は、唾液の分泌が低下することで生じる症状です。
シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺に異常を引き起こす疾患で、ドライマウスの原因の一つとなることがあります。
また、加齢により唾液腺の機能が低下し、唾液の量が減ることもあります。さらに、抗ヒスタミン薬や降圧薬、抗うつ薬などの一部の薬の副作用として、唾液の分泌が抑制されることも知られています。
お口の中で、細菌が増殖
口腔内には常に多くの細菌が存在していますが、適切なケアが行われていないと、細菌が過剰に増殖し、ネバネバ感の原因となります。
口腔内の細菌増殖の原因
- 歯垢(プラーク)の蓄積
- 舌苔
歯垢(プラーク)の蓄積は、歯磨きが不十分な場合に起こり、細菌の温床となります。また、舌苔(ぜったい)の付着も、舌の表面に細菌や食べかすが溜まり、口臭やネバネバ感を引き起こします。
どちらも歯周病の原因や口臭の原因にもなります。お口の中をきれいに保つことがポイントです。
日常の生活習慣が原因
日常の生活習慣も口腔内の状態に大きく影響します。
お口がネバネバする人の良くない習慣
- よく噛まない(早食い)
- 食生活の乱れ
(甘いものや脂肪の多いものなど食事に偏りがある) - 喫煙や飲酒
急いで食事をすると唾液を分泌する量が減ってしまいます。 唾液が十分に出ないと口の中に食べかすが残りやすくなる上に、細菌が増えやすく、口の中のネバネバ感が増します。 また、糖分や脂肪分の多い食事は、細菌が増殖しやすい環境を作り出します。さらに、喫煙や飲酒は口腔内を乾燥させ、細菌の繁殖を促進します。
ストレスや口呼吸も原因に
ストレスも唾液の分泌量に影響を与えます。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、唾液の分泌が減少します。また、口呼吸の習慣があると、口腔内が乾燥しやすくなり、ネバネバ感を感じやすくなります。
2.口の中がネバネバ
口の中のネバネバ感は不快なだけでなく、さまざまな症状や健康への影響を引き起こす可能性があります。
主な症状
- 口臭の発生:
細菌の増殖により、不快な口臭が生じることがあります。他人に気づかれる前に対処したいものです。
- 口内炎の発生:
口腔内が乾燥すると粘膜が弱くなり、炎症や口内炎が起こりやすくなります。
- 味覚障害:
唾液が少なくなると味覚を感じる味蕾へ味の成分が運ばれす、食べ物の味を感じにくくなることがあります。
健康への影響
- 虫歯や歯周病のリスク増加:
細菌が増えることで、虫歯や歯周病のリスクが高まります。これらは放置すると深刻な口腔トラブルにつながります。 - 全身の健康への影響:
口腔内の細菌が血流に乗って全身に影響を及ぼす可能性があり、心疾患や糖尿病の悪化につながることも指摘されています。
3. 自分で、口の中のネバネバを解消する方法
しっかり歯を磨く
歯と歯の間、歯と歯茎を念入りに
まず基本となるのは、正しい歯磨きです。食後と就寝前には、フッ素配合の歯磨き粉を使って丁寧に歯を磨きましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間の汚れをきちんと取り除くことが大切です。
舌の汚れも落とそう
また、舌苔の除去も忘れずに行いましょう。専用の舌ブラシで舌の表面を優しく掃除することで、細菌の数を減らし、口臭やネバネバ感を軽減できます。ただし、強くこすりすぎないよう注意してください。
水分補給を心がける
こまめな水分摂取は、唾液の分泌を促し、口腔内の乾燥を防ぐ効果があります。1日あたり1.5〜2リットルの水を目安に、喉が渇く前に少しずつ飲むようにしましょう。また、口腔内を潤すために、専用の口腔保湿ジェルやマウスウォッシュを使用するのも効果的です。
生活習慣を見直す
バランスの取れた食事を心がけ、よく噛みましょう。
野菜や果物、タンパク質をしっかり摂取し、糖分や脂肪分の多い食品は控えるようにします。さらに、喫煙や過度な飲酒は口腔内の環境を悪化させるため、できるだけ避けることが望ましいです。
ストレスの解消も重要です。適度な運動や趣味の時間を設けて、リラックスすることで自律神経のバランスを整え、唾液の分泌を促進します。
唾液の分泌を促す工夫
キシリトール入りのシュガーレスガムを噛むことで、唾液の分泌が促進されます。また、酸味のある食品(レモンや梅干しなど)を適度に摂取することも効果的です。ただし、酸味の強い食品を摂り過ぎると歯のエナメル質を傷つける可能性があるため、適量を守りましょう。
また 唾液は舌・顎・耳下の3つの唾液さんから分泌されます。特に耳下の唾液腺は、さらさらの唾液が分泌されるので、上の奥歯のあたりから後ろから前へクルクルとマッサージすると唾液が分泌されます。
マウスウォッシュの活用
口の中のネバネバ感を解消する手軽な方法として、マウスウォッシュの活用があります。マウスウォッシュは、口腔内の細菌を減少させ、爽快感をもたらすだけでなく、ネバネバ感を軽減する効果も期待できます。
4. 専門的な治療が必要な場合
自己対処で改善しない場合や、症状が重い場合は、歯科医院での専門的な診察を受けることをおすすめします。
受診の目安
- ネバネバ感が長期間続く
- 強い口臭があり、人から指摘される
- 口内炎や出血が頻繁に起こる
- 飲み込みづらさや発音の問題がある
これらの症状が見られる場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
歯科医院での治療
歯科医院では、専門的な器具を使って歯石や歯垢の徹底的な除去を行います。これにより、細菌の数を大幅に減らすことができます。また、唾液腺マッサージや必要に応じて唾液の分泌を促す薬の処方も行われます。
場合によっては、全身的な疾患が原因となっている可能性があるため、内科や耳鼻咽喉科などの他の専門医への紹介が行われることもあります。
5. 口の中のネバネバを予防する方法
ネバネバ感を防ぐためには、日常生活での予防が重要です。以下のポイントを心がけましょう。
口腔衛生の維持
定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の問題を早期に発見・対処できます。歯科医師や歯科衛生士から正しい歯磨き方法を教えてもらい、自宅でのケアに活かしましょう。
生活習慣の改善
規則正しい食生活を心がけ、栄養バランスの取れた食事を摂取します。適度な運動は血行を良くし、唾液の分泌を促進します。
他にできること-環境の調整
室内の湿度を適切に保つために、加湿器の使用を検討しましょう。特に乾燥する季節は、口腔内の乾燥を防ぐ効果があります。また、口呼吸の改善も大切です。意識的に鼻呼吸を心がけ、必要に応じて医療機関での相談も行いましょう。
6. よくある質問(FAQ)
- 口の中のネバネバ感は放置しても大丈夫ですか?
-
放置すると口臭や虫歯、歯周病などのリスクが高まります。早めに対処し、原因を取り除くことが重要です。
- 子供でも口の中がネバネバすることはありますか?
-
はい、子供でも起こり得ます。甘いものの過剰摂取や歯磨きが不十分な場合、ネバネバ感が生じることがあります。お子様の口腔ケアにも注意を払いましょう。
- ネバネバ感と全身の病気は関係がありますか?
-
はい、糖尿病やシェーグレン症候群などの全身的な疾患が原因となる場合があります。症状が長引く場合は、医療機関での検査をおすすめします。
- 唾液分泌を増やす食品はありますか?
-
レモンや梅干しなどの酸味のある食品が効果的です。ただし、摂り過ぎに注意し、バランスの良い食事を心がけましょう。
まとめ
口の中がネバネバする不快感は、誰にでも起こり得るものですが、適切な対処と予防で改善することができます。
- 原因を理解し、適切な対処を行う:自分の生活習慣を振り返り、改善点を見つけましょう。
- 日常生活での予防が大切:
口腔衛生の徹底や生活習慣の見直しで、ネバネバ感を防ぐことができます。 - 専門家に相談する:
自己対処で改善しない場合や不安がある場合は、歯科医師に相談することが大切です。
健康な口腔環境は、食事をおいしく楽しむだけでなく、全身の健康にもつながります。日々のケアを大切にし、快適な毎日を送りましょう。