事故などで大きな力が加わり、歯が欠けてしまう、割れてしまうことはありますが、ちょっと固いものを食べただけで歯が欠けてしまった時は何か問題があります。
健康な歯が食べた時に欠けることは滅多にありません。
そのまま放っておくと、
食事中に歯が欠けてしまった時の主な原因は虫歯です。
虫歯によってもろくなった部分に力が加わり、歯がかけてしまうことがあります。
虫歯によって、歯の表面のエナメル質が溶け、内側の象牙質へ虫歯が進行していきます。エナメル質と比べると象牙質の方が柔らかいため、中から溶けていき、空洞になるため、歯が脆くなり、食べ物などでも欠けてしまいます。
歯ぎしりや食いしばりで歯が欠けることも多いです。
歯ぎしりでかかる力は想像以上に大きく、体重の2〜3倍と言われています。
長時間、歯に強い力が加わり続けていることで歯が欠けてしまうことがあります。
特に神経を抜いた歯は弱く、歯ぎしりなどで欠けてしまうリスクが高くなります。マウスピース型のナイトガードで、歯ぎしりから歯を守る方法があります。
酸蝕歯とは、お口の中が酸性に傾き、歯の表面のエナメル質が溶けていく状態です。
飲食物などの酸が原因で、歯のエナメル質が脆くなり、
歯ぎしりや食いしばりの力が加わると、歯が欠けてしまうのです。
酸の多い飲食物は酢やレモンなどの柑橘類のほかに、砂糖の多い
清涼飲料水やスポーツドリンク、炭酸飲料も歯を溶かします。
事故や転倒など大きな力が加わり、歯が欠けたり抜けたりする場合があります。
欠けたのではなく抜けた場合は、歯を植え直すことができる場合があるので、できるだけ早く受診しましょう。
歯が欠けてしまった時、その歯の状態によって(どれだけ欠けたか、神経があるかないかなど)対処方法が違ってきます。
欠けている部分が小さく、隙間や穴ができた場合は、プラスチックの白い詰め物で歯の欠けた部分を補います。
セラミックや金属と比較すると強度が劣りますが、過多に歯を削る必要がありません。
保険適用で治療期間も短いです。
歯の損傷した部分を削り、形を整え、薄いセラミックを接着させます。
欠けてしまった歯と色を合わせやすく、削る量も少なく歯を残すことができます。
セラミックを貼り付けるので長期的に透明感のある自然な美しさを再現、維持できます。
欠けた範囲が大きい場合は、この治療を行うことができません。自費の治療です。
被せ物による治療が主になります。損傷の度合いによって詰め物で対応できる場合もあります。
金属の上にプラスチックを盛り付けた被せ物や銀歯の被せ物の治療を行います。
ただ、時間の経過で変色したり、接着剤の劣化などで隙間ができ、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
セラミックの被せ物は、ご自身の歯と色を合わせやすく違和感がなく作製できます。
見た目が良く、強度・耐久性に優れています。
プラスチックの被せ物と異なり、
歯と接着が強く隙間や段差ができにくいため虫歯などのリスクも抑えることができます。
セラミックには色々な種類があります。
歯が大きく欠けて、歯の神経が露出してしまっている時、神経を残せるかどうかで治療方法が変わってきます。
神経を保護し、全体に被せ物をします。
神経を除去する「根幹治療」を行い、全体的に被せ物をします。
神経を残せるかどうかの判断は歯科医師によってかわります。神経を失った歯は、寿命が短くなるためできるだけ神経を残したいものです。
大きく欠けて歯槽骨の骨より下(骨縁下組織)まで至った時は、歯を残すことが難しく、抜歯になる場合があります。
その場合は、
事故など大きな力が加わり、抜け落ちてしまった場合は、歯を保存液(生理食塩水や牛乳など)につけ、早急に歯科医院で診察を受けてください。 迅速な応急処置で歯を残せる可能性があります。
歯が欠けてしまった時、特に事故などで歯が欠けた、抜けた場合などは応急処置が大切です。
対処方法と注意点は下記の通りです。
欠けた部位を触らない
つい手や舌で触れたくなりますが、触れてしまうことによって、ばい菌が入ったり、さらに悪化したりします。また舌や口の粘膜などを傷つけたりします
痛みがあれば、市販薬の痛み止めを服用してください。
抜けた歯は保存する
状態にもよりますが、抜けた歯を生かすことができる場合があります。
決して水道水で洗ったり消毒したりしないでください。
歯が乾燥しないように、牛乳や生理食塩水につけて、速やかに受診してください。短時間であれば、口に含んだまま歯科医院へ(のみ込んでしまわないように注意してください)。
応急処置を迅速に行うことで歯を残せる可能性が高くなります。
Q. 歯が欠けたら(割れたら)抜くしか方法はないのですか?
A. 以前は、歯が欠けたり割れたりすると抜歯しかありませんでしたが、 近年では歯科用接着剤や技術の発展によって抜歯しないケースも増えてきています。 もちろん抜かなくて済む条件が揃わなければなりません。特に大きく欠けた、抜けた時、その後の時間の経過が重要です。速やかに受診してください。 時間の経過とともに治療の成功率が低くなります。
Q. ラミネートベニアってどんな治療方法ですか?
A. 歯の表面をごく薄く削り、歯の色と合わせた
薄いセラミックを貼り付けます。
小さく歯が欠けた時や歯に隙間がある時などに用いられる治療方法です。
被せ物よりも歯を削る量が減り、歯の神経にも影響がありません。
大きく歯が欠けている場合には適用できません。
Q. 少しだけ歯が欠けました。放っておいても大丈夫?
A. 歯が欠けた部分が小さいからと言って放置しておくと、欠けた状況によっては、舌や粘膜などを傷つけるほかに、 細菌が入り最悪の場合は歯を失うこともあります。自己診断することなく、早めに歯科医院の受診をおすすめします。
できるだけ早い受診と応急処置で欠ける前とほとんど変わらずに過ごせる可能性もあります。
また適切な治療を受け詰め物や被せ物で見た目を限りなく元の状態に戻すこともできます。
「少し歯が欠けただけだから・・・」「痛みを感じないから」とそのまま放置していると、後から歯を失うなど、手遅れになります。そうならないように早々の受診をおすすめします。